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こんにちは。読書大好き、管理人です。
これまで、第158回の芥川賞候補者である石井遊佳さんと木村紅美さん、前田司郎さん、若竹千佐子さんの4人の記事を投稿いたしました。
今回は、5人の芥川賞候補作家の最後の1人、宮内悠介(みやうち ゆうすけ)さんにフォーカスします。
ご存知の方も多いかと思いますが、木村紅美さん、前田司郎さん、と、今回ご紹介する宮内悠介さんは今回第158回のノミネートで、2回目の芥川賞候補となります。
ですので、石井遊佳さんや若竹千佐子さんに比べると作家歴も長く、若干知名度も上だと思います。
若竹千佐子さんなんて、専業主婦ですから、非常に情報が少なかったです。(笑)
その点、宮内悠介さんは「麻雀プロの試験に補欠合格したけど順番が来なくてプログラマーになった」、などキャッチーでビビッドな経歴をお持ちです。(笑)
一体どんな方なのでしょうか。
気になる経歴などについてリサーチしていきます!
宮内悠介の経歴やプロフィール
まずは宮内悠介さんの経歴やプロフィールをまとめます。
生年月日は1979年1月18日生まれ、2018年現在38歳です。
ご出身は東京都生まれですが、1992年までニューヨークに在住されていました。
4歳で西海岸へ行き、その後すぐにニューヨークへと渡り、宮内悠介さんが中学1年生の時に日本へ帰国しました。
その後、後ほど記載しますが、東京の大学を卒業され、ゲームセンターのアルバイトでお金を貯め、そのお金でインド、ネパール、バングラデシュ、パキスタン、アフガニスタンを放浪されます。
帰国後、上でも少し触れましたが、なんと麻雀プロの試験に補欠合格されますが、順番が来なかったため、プログラマーになられます。
なかなか異色の経歴をお持ちですよね。
「芥川賞」「文学」と聞くと確かに文系の匂いがしますが、「囲碁」「SF」「プログラマー」などのフレーズからは理系の匂いもするんですよね。
振れ幅の大きい、非常に魅力的な方だなと感じます。
プログラマーとしてご活躍される傍、ワセダミステリクラブのOBで構成される創作同人誌である「清龍」に参加し、創作活動を続けていきます。
そんな宮内悠介さんに転機が訪れたのは2010年でした。
プログラマーのお仕事のプレッシャーと小説を書きたいという気持ちのバランスが取れなくなってしまったからか、メンタルヘルスになってしまい、会社を辞めてしまいます。
ちょうどそのタイミングで、以前送っていた作品が創元SF新人賞の最終候補に残り、審査員特別賞をいただきます。
それが、囲碁を題材とした短編小説「盤上の夜」で、第1回創元SF短編賞にて選考委員特別賞(山田正紀賞)を受賞されます。
さらに、様々な盤上ゲームを題材とした短編を連作として書きついでいき、2年後の2012年に連作短編集「盤上の夜」として刊行し、ついに単行本デビューを果たされます。
この「盤上の夜」は宮内悠介さんにとっての第一作品集なのですが、なんと第147回の直木賞候補となり、さらには第33回日本SF大賞を受賞します!
華々しいデビューとなりましたね!
その後もコンスタントに作品を発表し続け、SFと純文学をジャンル横断的に活動する作家としてその地位を確かなものとします。
史上初めて芥川賞、直木賞、三島賞、山本賞という日本文学の主要な賞、全ての候補作に挙がるという快挙も成し遂げました。
今後ますます活躍されることが期待される、要注目作家です。
出身高校や大学は?
海外での生活や麻雀、プログラミング、SFや文学など様々なキーワードが出てくる宮内悠介さん。
ご出身の高校や大学はどちらなのでしょうか。
ご自身も公言されていますが、高校は早稲田大学高等学院で、大学は早稲田大学第一文学部英文科卒業です。
また、在学中はワセダミステリクラブに所属されています。
かつてのインタビューの中では、高校でようやく話の通じる友達が多くなったと語っています。
海外経験などで早熟だった宮内悠介さんですが、早稲田という比較的偏差値の高い環境が良かったのでしょうね。
高校時代では虚弱な文化系から脱皮しようと、スキー部に所属されますが、その部活の友達から新本格ミステリを教わり、現在に繋がる柱を築かれます。
何が人生を作るのか、本当に分からないものですね。
また、プログラミングなどがお好きだったので高校時代はずっと情報工学を志望されていたのですが、ドストエフスキーにハマったことをきっかけに文学部に入学されます。
もしドストエフスキーに出会わなければ、今の芥川賞候補作家としての宮内悠介さんは存在しなかったかもしれませんね。
人生、不思議なものです。
父親や妻は?
幼少期に海外に渡られた宮内悠介さんですが、どのようなご家庭に生まれたのでしょうか。
お父様などのお仕事の事情で海外に行かれたのではないかと思いますので、さぞかし優秀なビジネスマンなのでは?と思いますよね。
また、現在38歳ですので、ご結婚をされていてもおかしくない年齢です。
かなり好奇心の触れ幅が広い宮内悠介さんですが、奥様や彼女はどのような方なのでしょうか。
興味は尽きないので色々と調べてみるのですが、お父様や奥様などについての言及はありませんでした。
今後何か情報が追加されることを期待しております!
囲碁や麻雀について
宮内悠介さんといえば囲碁や麻雀のイメージが強いですが、囲碁や麻雀だけでなく、デビュー作である「盤上の夜」ではチェッカーや将棋、チェスなどが登場します。
どのような経緯でテーブルゲームにお詳しくなられたのでしょうか。
麻雀については、麻雀好きのお祖母様のご指導によるものだと語っています。
宮内悠介さんが帰国された中学生時代には、友達と団地の屋上などでこっそりと麻雀を打っていたそうです。
根っからの雀士ですね。(笑)
また、得意なのが麻雀、好きなのが囲碁である、とも語っています。
囲碁の世界はシンプルさゆえに非常に奥深く、将棋などよりも情報量が格段に多いと言います。
白と黒の石で上下に線が張り巡らされた盤上で陣取りゲームをする囲碁は、どこか理系的で、哲学的でもありますよね。
宮内悠介さんが好きになられるのも納得できますね。
ディレイ・エフェクトで2度目の芥川賞候補に
2017年12月20日に第158回芥川賞と直木賞の候補作が発表され、「ディレイ・エフェクト」で2度目の芥川賞候補に選ばれます。
ディレイ・エフェクトについて、宮内悠介さんはご自身のTwitterで以下のように述べられています。
『たべるのがおそい vol.4』に短編「ディレイ・エフェクト」を寄稿しました。近未来の東京と戦時中の東京が重なりあった世界での、日常の謎SFミステリ文芸(?)です。すみません、何言ってるかわからないと思うのですが、私もわかりません。https://t.co/21XArlE84R
— 宮内悠介 (@chocolatechnica) 2017年10月8日
このユーモア感が非常に好感が持てますね。
難しいことを言って「分かる人にだけ分かればいい」というような態度の方もいらっしゃいますが、宮内悠介さんは「自分にも分からない」と仰る。
物語というものは作者が全てを把握している必要はないですから、宮内悠介さんの態度は非常に誠実だと思うのです。
そんなディレイ・エフェクトですが、本記事を執筆している2018年1月現在では、まだ単行本化されておらず、「たべるのがおそい」という文学ムックでのみ読むことができます。
ぜひご確認くださいませ。私も早速注文したいと思います。
ハジメテトピックスは宮内悠介さんを全力で応援し続けます!!!
※第158回の直木賞候補者である伊吹有喜さん、彩瀬まるさん、門井慶喜さんの記事はこちらです。