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こんにちは!なんちゃって文学青年の管理人です。(ただのハルキストです)
以前、「星の子」という作品が第157回の芥川龍之介賞候補作品に選ばれた、今村夏子さんについての記事を書きました。
その他の候補者、温又柔(おんゆうじゅう)さんと沼田真佑さんについての記事はこちらです。
こうなってくると、凝り性の管理人としては他の候補者も気になる!ということで、今回は古川真人さんについて調べてみました。
古川真人さんも今村夏子さん同様、今回で2度目の候補選出となります。
芥川賞は新人作家に対する賞であるという面がありますので、そろそろ受賞しておきたいところです。
そんな期待のかかる古川真人さん、一体どんな人物なんでしょうか。
古川真人のwiki風プロフィール!
簡単に経歴や来歴をまとめておきます。
生年月日は、昭和63年(1988年)7月29日です。
出身は福岡県福岡市の生まれ。
現在は出身の福岡ではなく、神奈川県横浜市在住です。
ですが、毎年お盆と正月は実家の福岡に帰られるそうです。
父方のご実家は福岡県の山の中だったそうですが、ダム建設で集落が沈み、一族で糸島市内に出て来られたとのこと。
母方のご実家は、長崎県の島にあるそうですが、ご親戚の多くが福岡市内に移り住まれているようです。
作家としての受賞歴、候補歴は以下の通りです。
2016年(平成28年)に「縫わんばならん」で第48回の新潮新人賞を受賞します。
そして同年、同じく「縫わんばならん」が第156回の芥川賞候補に選ばれますが、惜しくも落選。
この時に芥川賞に選ばれたのは、山下澄人さんの「しんせかい」 でした。
そして今年2017年(平成29年)、第157回の芥川賞に「四時過ぎの船」が選ばれました。
まだまだ作家としては駆け出しの古川真人さん。
2017年現在、作品は「縫わんばならん」と「四時過ぎの船」の2作しかありません。
しかも「四時過ぎの船」はこの記事を執筆している2017年6月25日現在ではまだ未発売です。(7月31日発売予定)
四時過ぎの船 [ 古川 真人 ]
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2作しか発表していないうちの2作がどちらも芥川賞候補に選ばれているのですから、素晴らしい才能の持ち主ですよね。
今後、ますます活躍されると信じております。
大学や結婚もリサーチ!
出身大学は國學院大学の文学部ですが、中退されています。
ですので正確には高卒、ということになりますね。
まぁ、作家やアーティストに学歴は関係ないです。
作品が全てですし、面白ければそれでいいのですからね。
ご結婚については、情報がありませんでした。
おそらくまだ未婚だと思われますが、何か情報があれば是非ご提供くださいませ。
どんな学生時代だった?
2度も芥川賞候補に選ばれる作家となった古川真人さん。
中学や高校時代はどのような学生だったのでしょうか。
以前のインタビューから紐解きます。
まず、文学との出会いは中学3年生の時でした。
作品はあの、三島由紀夫の「仮面の告白」です。
中学校に入ると、まったく勉強についていけなくなりました。
まさにイケてない中学生の典型で、まず知らない人に話しかけられない。
マクドナルドで注文ができませんでした。
高校に入って環境がかわったら、ある程度、対人恐怖症はおさまりましたが。
当時、暇を持て余して、似たような友だちと集まって古本屋を回ってはマンガや中古CDを探したりしていたのですが、中三のとき、小説を読む友だちの影響で三島由紀夫の『仮面の告白』と出会いました。
初めて読んだ文学作品でした。
最初は面白いのかどうかさえも解らなかったんですが、三島の他の作品も読み進めていきました。
すっかり文学にハマった古川真人さん。
高校に進学し、文芸サークルに入ります。
そこでますます文学にのめり込み、ついに自分で小説を書き始めることになります。
高校は、最初の一学期でクラスメイトの十人近くが退学するようなやんちゃな学校に進みました。
文学の話ができる友達はいませんでしたが、図書室の司書をされている先生が指導する文芸サークルに入りました。
週に一度、図書室に集まって小説を書いて、文化祭で製本した冊子にして販売するのが活動の中心でした。
そこで書いたのがはじめての小説で、武田麟太郎にかぶれていたのがそのまま出てしまい、夫が家で退屈して散歩するだけの話でした(笑)。
文芸サークルの先生は文学賞への応募を積極的に勧めていたので、高校三年の時にすばる新人賞に応募しました。
高校3年生ですでに「すばる新人賞」に応募した古川さん。
作家になりたいという気持ちが徐々に芽生えるなか、大学に進学します。
大学で「近代日本文学研究会」という研究会に入って、作家になりたい気持ちが少しずつ芽生えてきたのだと思います。
〜中略〜
大学は結局、四年いたのに三年生に進めず除籍になりました。
基礎学力がまったくないですから、概説の授業に追いつけず、語学なんかも全然だめでした。
研究会に力を注ぎすぎた、と言うと言い訳がましいでしょうか(笑)。
うーん、、、文学部に入学したとはいえ、大学が求める学力と、古川さんのような作家志願者が求める力は一致しないということなのでしょうね。
管理人の大好きな村上春樹さんも、早稲田大学第一文学部映画演劇科に7年間在籍して、なんとか卒業されています。
その間にジャズ喫茶を開店させているわけですから、大学で何かを学ぶ時間なんてなかったんじゃないでしょうか。(笑)
影響を受けた作家や本の読み方は?
これからの日本の文学界を背負って立つ存在である古川さん。
どのように本を読み、どんな作家に影響を受けたのでしょうか。
新潮社のインタビューでは以下のように答えています。
文庫の巻末にある解説や年譜を読むのが好きで、自分の好きな書き手に影響を与えた作家がわかると、それも読む――そのようにして少しずつ読書の幅が広がっていくのが楽しかったです。
特に三島由紀夫の『作家論』で三島が論じた森鴎外や尾崎紅葉などの明治の作家から昭和の円地文子まで、ひとりずつ本を探して読んで行きました。
なかでも武田麟太郎と島木健作が面白くて、筑摩書房の日本文学全集で「武田麟太郎・島木健作・織田作之助」の巻を愛読しました。
織田作之助はとにかく上手いし、面白い。
武田麟太郎の小説の救われなさも好きでした。
なかでも島木健作の『生活の探求』がそれまでに読んだ本と全然違うように感じられました。
農家に生まれた主人公が一度は東京に出るものの、大学を中退して農民としての生活を探求していく、まさにタイトルのままの作品で、硬質な文章も含めて、ほんとうに新鮮でした。
文庫の巻末にある解説を読んで、その本の著者が影響を受けた作家を読んでいくという深掘りしていく感じ、とても共感できます。
私管理人は音楽が好きなのですが、洋楽のCDは輸入盤ではなく国内盤を買うようにしてました。
なぜなら、解説がついているからです。
解説の中で、そのアーティストが影響を受けたアーティストのことが書かれていたりするので、そうやってどんどん音楽を深掘りしていっていました。
CDを買わない世代に向けていうならば、、、Youtubeで「次の動画」とか「あなたへのおすすめ」とかを見ていく感じでしょうか。(笑)
まだまだ2作目を出したばかりの古川真人さん。これからの活躍が期待されます。芥川賞も楽しみです!
ハジメテトピックスは古川真人さんと文学を全力で応援していきます!